大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和24(れ)1955 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

各被告人弁護人深町良平の上告趣意第一点について。

しかし、旧刑訴三四九条第三項には、被告人又は弁護人には最終に陳述する機会

を与うべき旨規定され、そして原審第一回公判調書によれば原審の弁護人に対し最

終陳述の機会を与えたこと明白であるから、原審には所論の違法は存しない。論旨

はその理由がない。

同第二点について。

しかし、判決の謄本の不備は、原判決に何等の影響を及ぼさないこというまでも

なく、そして、原判決の原本には、裁判長判事中野保雄、判事亀崎弘尚、判事渡辺

好人の署名捺印が存し、同判事三名はいずれも現存の裁判官であること公知の事実

であるから、論旨は採ることができない。

同第三点、四点について。

しかし、原判示のごとき注意義務の存することは、一般公知の事実に属する。従

つて、かかる注意義務を怠つた以上過失の責を免れないこと多言を要しない。また、

原判決は、被告人Aがメタノール禁止品としての含有量あることを知つて販売した

と判示したものではないから、この点に対する所論は原判示に副わない主張であり、

その他量刑不当の主張は上告適法の理由とならない。それ故論旨はすべて採るを得

ない。

同第五点について。

しかし、所論報告書によれは、本件アルコール中に一立方センチメートル中一ミ

リグラム以上のメタノールを含有することを認めることができるから、それ以上幾

何のメタノールを含有するか明らかでなくとも原判決には証拠上の違法は存しない。

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本論旨も採ることができない。

よつて旧刑訴四四六条に従い主文のとおり判決する。

この判決は裁判官全員の一致した意見である。

検察官 長谷川瀏関与

昭和二五年二月一六日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 沢 田 竹 治 郎

裁判官 真 野 毅

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